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タイ転職で欠かせない日系企業研究、タイにある日本企業はどんな業界が多い?

タイに進出している日本企業も多く、その数は3,133社(2011年帝国データバンク調べ)となっており、特に製造業では1,735社がタイに進出している。主に自動車関連・機械工具関連・電気事業関連業界など日系製造業の直接投資が高い水準を記録しており、主な企業としては株式会社フジクラ(電線等製造)、日本電産株式会社(モーター製造)、株式会社マキタ(電動工具糖製造)などがあげられる。一方食品業界の進出がこれまで少なかったのに対し、近年タイ食品業界への参入が盛んになっている。三菱商事はタイ・ユニオン・フローズン社との共同経営を発表し、世界的な食品需要量増加を目指した活動を行うと発表。一方三井物産・三井製糖はタイで製糖事業を営むコンブリ社に出資、タイでの生産に必要な資本・設備の投資を行なっている。このように日本の貿易会社や商社がタイでの食品および公益事業や運送業への投資を強めている。

その他サービス業などでも進出し、タイでのビジネスを確かなものとしている企業も多くある。語学学校や人材派遣会社、IT関連企業なども進出している。この背景にタイでの国民生活の向上、流通・サービス業の活性化、製造業以外の生産拠点としての魅力が注目されているからだ。その背景にFacebookなどのソーシャルメディアや携帯電話の普及、ファッションなど文化の成熟化が影響している。

タイに進出している企業の年商規模は10億円以上100億円未満の企業が1,030社と最も多く、一方10億円未満の中小企業のうち25%が赤字決算となっている。今後もサプライチェーンとして、また他のEPA協定を結ぶアジア諸国とのハブ拠点としてタイに進出する日本企業は増えるものと予想される。

タイで働くなら知っておきたい貿易のこと、日本との関係について

タイの主な貿易相手国は中国、日本、アメリカ、マレーシア、香港、UAE(アラブ首長国連邦)となっており、アジアを中心とした貿易戦略がとられている。タイの貿易の最大のメリットは厳しい規定がないことが挙げられ、唯一の必要資格として「納税証明書」があれば、貿易業務を行えることがタイの貿易ビジネスを後押しする要因といえる。また支払いに関しても外貨管理についての規定は特に難しものでなく、直接日本からタイ、タイから日本への送金も可能となっている。

現在タイの輸出貿易において大きな比重を占めているのがコンピューター関連部品・自動車・自動車関連部品である。一方近年高い伸び率を記録しているのが天然ゴム、電子集積回路、ポリエチレン等である。輸入においては原油、産業機械、宝石などの貿易支出が高くなっている。

日本との関係を見た場合、タイはアメリカについで輸出相手国として第2位となっており、その規模は3兆4,888億円(2012年)、伸び率は17.9%と高い数値を記録している。一方輸入額は1兆8,856億円となっており、日本側の恒常的な黒字となっている。主にタイからの対日輸出品目は一般機械機器類、天然ゴム、生鮮魚介類、家具などで、日本からは資本財や原材料などタイへの直接投資に伴う企業活動に必要とされる物資の輸入が多くなっている。また日泰関係は貿易だけではなく、投資や経済協力においても大きな比重を占めており、タイが受け取る経済協力の6~7割が日本のものとなっている。おもんインフラの整備、環境保全、人材育成、地域開発、技術協力、円借款などが挙げられる。

タイに転職するなら自動車産業と日本企業との関係について知っておきたい

タイでは近年、日系・外資を問わず各国の自動車メーカーが数多く進出しており、自動車関連企業の集積が進んでいる。自動車産業の規模としては日本の10%程度といわれているが、生産拠点としての集中は高く、2011年の大洪水でサプライチェーンとしての機能が遮断された経験を経てなお、日本企業の大半が拠点の維持を決定したことから、引き続きタイがASEAN諸国において自動車生産機能の主軸とされることが予想されている。

2012年にはタイでの自動車生産台数が年間200万台を突破し、過去最高の生産台数を記録し、現在も生産拡大は行われており、17年までには300万台の突破を目指すとタイの労働省は明言している。自動車産業のGDP(国内総生産)に占める割合も約10%と高く、経済戦略において最も重要な基幹産業として、官民一体の発展を図っていることがわかる。

輸出においても自動車関連商品の輸出額に占める割合は高く、特に自動車部品などのロングテールとよばれる産業が充実していることが、他のASEAN諸国と比較して強みと見られている。国内メーカーも数多く、インドネシアが800社なのに対し、タイでは2,300社以上が市場に参入している。今後高付加価値の商品を生産することに注力し、国内メーカーだけではなく韓国メーカー、日本企業等との競争が激化していくものと見られており、「アジアのデトロイト」としての立場はより強固なものとなりつつある。トヨタ・ホンダなど日本企業もEPA(経済連携協定)が発行されたことや関税撤廃を武器にさらにタイでの生産ラインの拡充を画策する動きがある。今後他のアジア諸国への進出の機会が増えることも予想されるが、中心拠点としてのタイの役割は非常に大きいものとなっている。

タイでの仕事を考える、商業・工業・農林水産業を調査。

タイの主要産業は農業・製造業となっている。特に製造業への比重は大きく、一方農業部門は製造業・工業部門の離職者を雇用として受け入れるセクターとしての機能を持っているため失業率を低下させる要因を担っている一方、農業部門と工業・製造業部門での収入格差が広がっていることが問題となっている。このためBOIを中心に投資政策の転換が求められており、タイは新たな産業フェーズへと移行を始めている。

タイの産業構造において重要とされるのがタイ投資委員会(BOI:Board of Investment)である。BOIはタイへの直接投資・設備投資などの促進のために外資の許認可、税などの優遇制度行う国家機関で、BOIによって認定された企業は輸入優遇関税・法人税免除などがなされている。近年ではBOIの役割も変化してきており、タイの産業構造の変化及び投資政策の転換が求められている。

タイはさらなる進化を実現するために、産業構造の集積・高度化を図っている。これは2015年の経済統合(アセアン経済共同体:AEC)の創設に向けて、ASEAN諸国が新たな産業構造へと発展することを目的としているためで、タイも例外ではないからだ。低賃金労働依存型のビジネスモデルからの脱却をはかり、さらに生産機能から開発機能までを現地化する体制を作ることで、自国並びに近隣諸国での産業集積の対応に迫られている。これが実現することにより、ASEAN諸国全体の産業ピラミッドのロングテールが拡大することとなり、製造業を中心とした産業全体の高度化が測られるものと考えられている。

現在のタイに見られる経済状況はどのようなものか

2008年に起こったサブプライムローン問題に端を発するリーマン・ショック、そして2011年に起こった大洪水という2度の経済危機を経験したが、外資の流入がなおも続いているため国内経済は堅調に上昇傾向にある。世界銀行の発表でもタイのビジネス環境としての評価は年々順位を上げており、世界経済における役割の比重も大きくなっている。また物価も安定しており、個人消費も拡大傾向にある。

一方失業率は常に低い水準にあり、2009年以降1.0%を下回り続け、2012年では0.5%、2013年は0.65%程度になると予想されている。このように低い失業率と低インフレ率(物価上昇率)を両立しており、この2つは経済学的には短期的なトレードオフ(反比例)関係にあることから極めてレアなケースであることがわかる。なお日本を始めとする外資企業はBOIの投資恩恵を受けて、確実に規模の拡大を行なっている。財政政策においても公的債務の残高もASEAN諸国やその他新興経済国と比べ決して高くはなく、大手銀行を中心とする金融機関も過剰な大概借入を行なっていないことから金融面・財政面での健全性が評価されている。

ミャンマーが民主化された影響を受けて、タイ国内でのミャンマー人労働者が急増している。またタイ企業の中では工場をミャンマー側に建設する動きも見られており、タイとミャンマーを結ぶ国境の改善・モエイ川に新しい橋をかける・国境周辺への工業団地建設などが検討されている。今後タイの経済発展の裏にミャンマーとの関係が注目されることになるだろう。

タイの今の経済成長はどのように成し得たのか

タイの経済成長を語る上で欠かせないのが外資の導入と直接投資、そしてそれを受け入れ、支えるための環境投資であった。1980年代後半から90年代にかけて資本の自由化を背景に直接投資が増加、タイ政府としては外貨取得のための観光産業発展や海外への出稼ぎ、世界経済の影響を受けた輸出製品品目の工業製品へのシフトなどによって大きな経済成長を遂げてきた。特に日本や韓国を始めとする外資導入によって、これまで農水産物主体の産業から輸出志向型工業化がはかられたことで、急速な成長を遂げた。この背景にBOIを中心として外資導入のためのインフラ整備や産業集積、優遇制度などの拡充を図ったことが多くの外資進出の土壤をつくったものと捉えられている。

現在もなお経済成長率は堅調で、今後も実質GDPの水準は上昇傾向にあることが予想されている。主にサプライチェーンの拠点として自動車部品、ハードディスクなどを生産・供給する大規模な工業地帯が世界経済において重要な役割を果たしている。

一方バンコクを始めとする都市部と地方との間で経済格差が拡大しており、現在地域格差を払しょくするための政策が行われている。現在タイ政府は仏教的思想に基づく「足るを知る経済」政策を行なっており、その一つがゾーン制度であるが、まだ成果が現れるまでには時間を要するものと考えられ、最近ではこのゾーン制を廃止することを検討しており、投資奨励業種の絞り込みを行なっていく方針に転換する考えを示している。また低賃金労働力依存型からの脱却を図るため、中長期的な地域振興政策の是非が問われている。